キツネノカミソリ
ナツスイセン
リコリス(Lycoris)は、ヒガンバナの仲間の総称で、
球根で育つ多年草のことです。
ヒガンバナやナツズイセン、スプリンゲリー、キツネノカミソリ、
ショウキランなど、様々な種類があります。
リコリスの特徴は、開花中には葉を持たないことです。
秋咲き種のヒガンバナやショウキランは、
6~7月に枯れ、その後株元からスーッと花茎が伸びて、
秋に花が咲き、花が終わってから葉が伸びます。
夏咲き種のナツズイセンやスプレンゲリーは、
4月頃葉がでて、6~7月にいったん枯れ、
夏に花茎が伸びて花を咲かせます。
また、その他の特徴としては、
葉が細長いこと、花茎が直立すること、などがあります。
■リコリスの育て方 栽培方法
・球根選び
球根が大きく、発根部がしっかりしているもので、
かつ、傷のないものを選びます。
・植え付け
秋咲き種、夏咲き種共に7~8月頃に植え付けを行います。
水はけのよい培養土を用います。
赤玉土(小)6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合、
または市販の草花用培養土に、
緩効性化成肥料を3g/L加えた土を用います。
鉢植えなら5号鉢に1コを目安に、
プランター植えの場合は10~15cm間隔で植えます。
球根3個分の深さに植えつけるのがコツです。
・置き場所
日当たりの良い屋外なら、場所は特に選びません。
・水やり
土の表面が乾いたら、水を与えます。
ヒガンバナやショウキランは、冬に生育期に入るので、
水やりの回数は少なくてもかまいませんが、
乾燥しすぎないように注意してください。
・掘り上げ
3年くらいはそのまま育ててかまいません。
3年に1度、花茎を根元から切り、
その後出てきた葉が枯れる7月頃に掘り上げます。
掘り上げたら土を落とし、茎と古根は取り除きます。
球根が大きく育っていたら分球し、すぐに植えつけを行います。
リコリスは3年くらい植えたままの方が花つきが良くなるので、
やたらに植え替えは行なわないほうがよいでしょう。
・施肥
元肥のほかに、花が咲き終わった後にも、
緩効性化成肥料をお礼肥として施します。
リコリスは丈夫なので、
この程度のケアで美しい花を咲かせてくれます。
・病虫害
ハダニがつきやすいので、
見つけたら専用の薬剤で防除します。
POINT!
・リコリスは3年くらい植えたままの方が花つきが良くなる
・球根を植えつける深さに注意することがコツ
・球根の加湿、乾燥に気をつける
ワスレナグサ、花壇や寄せ植えにも
ワスレナグサのピンクも愛らしい
ワスレナグサ(勿忘草、忘れな草)は、
2年生または多年生植物の宿根草ですが、
日本で育てると夏の暑さで枯れてしまいます。
北海道や長野の高地など、
夏涼しい土地では夏を越すことができます。
4月~5月に、カスミソウのような小さな花が次々と咲きます。
パステルブルーが最も一般的ですが、ピンクや白などの花色もあります。
種まきは10月で、寒さに強いため、育てやすい花です。
ワスレナグサの英名は、「フォーゲットミーノット(Forget-me-not)」です。
花名は、中世ドイツの悲恋伝説に拠ります。
恋人ベルタのために、ドナウ川の岸辺に咲くこの花を摘もうと、
岸を降りた騎士ルドルフは、川の流れに飲まれてしまい、
ルドルフは花をベルタに投げ、
「Vergiss-mein-nicht!((僕を)忘れないで)」
と叫んで果てました。
この伝説より、ドイツでは、
「フェアギスマインニヒト(Vergissmeinnicht)」と呼ばれ、
英名もその直訳の「フォーゲットミーノット(Forget-me-not)」に、
そして日本名も「勿忘草」「忘れな草」と訳されました。
その他の国々でも、同じような意味の名前がつけられています。
花言葉も、この伝説に由来して、
「真実の愛」「私を忘れないで下さい」、
となっています。
■ワスレナグサの育て方 栽培方法
・タネまき
10月頃にタネをまきます。
発芽しやすくなるように1晩タネを水につけておきます。
水で湿らせたピートバンか、
タネまき用の用土を入れた平鉢に直まきにします。
光に当たると発芽が抑制される嫌光性の種子のため、
軽く土をかけ、日陰に置きます。
・植え替え
本葉が2~3枚に育ち、混みあってきたら、
間引きをするか、3号ポットに植え替えます。
水はけが良く、保水性のある用土に、
腐葉土を混ぜた培養土を用います。
市販の草花用培養土または、
赤玉土(小)6:腐葉土3:バーミキュライト1に、
緩効性化成肥料を3g/L加えた土を使用します。
ワスレナグサは寒さに強いとはいえ、
植え替えが遅れると寒くなるまでの成長が遅れ、
冬を越えることが難しくなります。
・定植
翌年3~4月頃、4.5~5号鉢に植え替えるか、
プランターに定植します。
4.5~5号鉢に4~5本が目安です。
苗で育てる場合は、3月~4月頃に購入します。
・置き場所
日あたりの良い屋外で育てます。
葉が茂ってくると蒸れて腐ることがあるので、
過湿にならないように注意し、風通しの良い場所におきます。
室内におく場合は、十分な日当たりと風通しを確保します。
・水やり
土が乾いたら、たっぷり与えます。
若干乾かし気味に育てます。
・施肥
植え替えと定植のときに、
緩効性化成肥料3g/L加えて元肥とします。
開花中は、月に2~3回液肥を与えます。
・花が終わったら
花付きを良くするには、花がらをこまめに摘み取ります。
種を取る場合は、花がすべて終わってしまう前に種子を実らせます。
花茎を切り取って採種して、封筒などに入れて涼しい場所で保管します。
・病虫害
アブラムシがつきやすいので、
オルトラン粒剤などの薬剤を散布して駆除します。
POINT!
・タネをまいたら軽く土をかけ日陰に置く
・十分な日当たりと風通しを確保する
・花付きを良くするには、花がらをこまめに摘み取る
ムスカリの白も寄せ植えなどに映える
ムスカリのピンクもある
C)イングの森
ムスカリ(Muscari)は、
地中海沿岸が原産のユリ科の多年草の球根植物で、
小さなブドウの房のようなかわいい花が咲きます。
このブドウの実のような外見から、
ブドウヒアシンスとも呼ばれています。
ムスカリは数年間植えっぱなしでも構わなく、
病虫害もあまりないため、育て方がやさしい植物です。
花色は鮮やかな青紫色が定番ですが、
品種改良により薄紫や白などの品種も出回っていて、
絨毯のようにまとめて植えると見栄えがしてきれいです。
また、寄せ植えにも人気で、
草丈の高いチューリップやスイセン、
またパンジーやデージーとの相性が良いです。
植え付けは10月~11月で、3月~4月に花が咲きます。
■ムスカリの育て方 栽培方法
・植え付け
ムスカリの植え付けは、10月~11月中旬に行います。
水はけのよい用土に、球根が隠れる程度の深さに植えます。
4号鉢には5~6球、5号鉢には7~8球を目安にします。
プランターには5~10cm間隔に植えます。
・置き場所
年内は屋外で雨にあたらないような場所に置き、
しっかりと寒さに当てます。
1月になったら屋内の日当たりのよい窓辺に移すと、
花が早く咲き出します。
真夏は涼しい場所で管理します。
・水やり
土が乾いたら、水をたっぷり与えます。
冬の間も、乾燥しない程度に水やりをしましょう。
・掘り上げ
1~2年間は植えたままで構いませんが、
3年たったら球根を掘り上げましょう。
3年目の花が終わったら、花穂を切り、
葉が黄色くなったら掘り上げます。
土を落とし、日陰で乾燥させてから、
球根を分けて分球し、大きさ別に保管します。
・施肥
植え付けの時と花が終わった後に、
緩効性化成肥料を与えます。
・病虫害
ムスカリは根にこぶができる、
ネコブセンチュウに侵されやすいので、
植え付けの時は、消毒済みの新しい用土を用いましょう。
POINT!
・1~2年間は植えたままで良いが3年くらいで植え替える。
・花後に葉が枯れてから葉柄を取り去ると球根が太る
・屋外で寒さにしっかり当てると良い花が咲く
フリージアは、アヤメ科に属する球根植物で、
可愛らしい花が連なるフォルムと、良い香りが人気です。
今日は、フリージアの花後の管理方法についてです。
■フリージア 花後は?
フリージアが満開に咲いていると、気付かないことですが、
実は、1つ1つの花の命は短く、3日~5日ほどでしぼんでしまいます。
丈夫で大きい球根であれば、10輪弱の花が次々と開花するので、
花が途絶えず、とても綺麗です。
1.開花後に枯れた花は?
早急に取り除かなければいけないわけではありませんが、
しなびて枯れたフリージアの花は、
その後に咲く花の見栄えを悪くするので、
その都度、花ガラを摘んでおくのがお勧めです。
花ガラを残したままにしておくと、
花が葉などに付着して傷んだり、
病気にかかったりする危険があります。
ほとんどの花がそうですが、
花ガラはこまめに摘むと花も快適です。
赤のフリージアも愛らしいです
2.開花後に種を取る
品種にもよりますが、全ての開花が終わった後に、
鞘(さや)が膨れてきて、種ができるものもあります。
この時、種を採取する場合は、
葉ごと切らないように十分に気をつけてください。
球根植物として知られているフリージアですが、
採った種を植えて、種から栽培することも難しくありません。
翌年には、開花するそうです。
はじめは、球根から育てていくのがお勧めではすが、
フリージア栽培に慣れてきたら、
種を採取して、種から育ててみるのも面白いと思います。
3.連作障害に注意する
病害虫に比較的強いフリージアですが、
同じ場所にどんどん連作すると、病害虫の被害が増えてきます。
鉢で育てる場合は、毎年土を新しいものにするのが基本です。
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フリージアは植えた球根の周りに新しい球根がつき、
それを分けて増やしていきます。
新しくできた球根は、植え付けたものほど、
大きい球根に育つことがほとんどありません。
そのため、花が咲くほど充実した球根に育てるまで、
通常2年~3年ほどかかります。
新しい球根に、早く花をつけさせるためには、
できる限りその新しい球根を肥らせることが重要になります。
花後の管理の仕方により、球根の肥り方が変わりますので、
開花後から掘り上げまでの手順を紹介します。
紫系のフリージアも素敵です
■フリージアの増やし方
・花ガラ摘み
フリージアは、1本の茎に複数の花を咲かせます。
花が咲いたものの中で、傷んできたものがあれば、
順次摘み取るようにします。
花ガラを取ることにより、花が葉などに付着して傷んだり、
病気にかかったりするのを防ぐことができます。
また、花ガラを放置すると球根がうまく肥らないこともあります。
球根の消耗も激しくなるので、必ず花ガラは摘み取るようにします。
花後は、花の茎を根元から切り、葉は残すようにします。
葉は、光合成をして球根の養分を作ってくれるのです。
ですので葉を切ってしまうと、球根が肥れなくなるので、
切らないように注意します。
・堀り上げ
5月~6月頃になると、だんだん葉が黄変し枯れ込んできます。
この時期が、球根を掘り上げる適期です。
球根を傷つけないように注意しながら、球根を掘り上げます。
土をきれいに落としたら、
古い球根の周りに小さな球根が育っているでしょう。
この小さな球根が、新しい球根なのです。
古い球根からできたての新球根をはずして、バラバラにします。
古い球根はここで役目を終えますので、
新しい球根とは分けておき、処分します。
・陰干しと保存
球根を陰干しし、ネットなどに入れて冷暗所で保管します。
秋になったら、また植えつけることができます。
花を咲かせることはできませんが、翌年の掘り上げの時期まで、しっかりと球根を肥らせましょう。
フリージアは、連作障害の出やすいアヤメ科の植物です。
地植えの場合は、前年にフリージアを育てていない場所に植え付けましょう。
鉢植えの場合は、必ず新しい用土を使って植えつけるようにしましょう。
また、半耐寒性の球根植物とされていますが、
日本の冬は厳しく、冬越し対策が必要です。
◎フリージアまつりに学ぶ
日本におけるフリージアの産地は、八丈島で、
毎年3月下旬から4月上旬まで、約35万本、
赤、白、黄色、紫色、色とりどりのフリージアが見られる、
「フリージアまつり」が行われています。
来年2016年の八丈島のフリージアまつりは、第50回目です。
花を敷き詰めて作る、インフィオラータ(花絵)が見事です。
花に関するお祭りやイベントをチェックしていますが、
このお祭りは、一度は見に行きたい花の祭典ナンバー1です。
八丈島のフリージアは、冬越しが不要だと言われます。
八丈島の冬の気温を調べてみると、
最も寒い1月~2月でも、平均10度あることが分かりました。
八丈島は東京都に属しますが、内陸部の平均温度は約6度くらいです。
10度となるのは、3月頃ですので、いかに暖かいかが分かります。
また、関東はもちろんのこと、
多くの地域で冬越しが必要なのですね。
フリージアの紫系もきれいですね
■フリージア 冬越し
植物の性質は、原産地に由来することが多く、
品種改良されても耐寒性などは大きく変わらないものです。
フリージアは半耐寒性植物ですが、
実際に育ててみると、寒さにはかなり弱い植物です。
1.寒害の現れ方は?
フリージアが寒害に遭うと、まず目につくのは葉の先の変色です。
徐々に赤くなり、放っておくと枯れてしまいます。
特に鉢土が凍らないようにすること、
霜の被害にあわないようにすることが大切です。
また、寒さに当たると、
生育が滞り蕾の数も減ってしまいます。
蕾がきれいに多くついているのが生育の良い状態です
2.フリージアの冬越し
南向きの暖かい軒下などが、冬のフリージアに適した管理場所です。
鉢植えならば、ベランダなどに移動して管理します。
庭植えでは、寒害を受けやすくなるので、
腐葉土やわらなどでマルチングしたり、風除けを設けます。
厚手の透明ビニールで覆いをかけるのも効果的でした。
極端に寒い地域の場合は、霜が降りる前に、
日当たりの良い室内で管理するといった方法も有効です。
日照の良い窓辺に置くと、花が早めに開花します。
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フリージアの、香りも上品で人気
フリージアの花色も多彩
フリージア(学名:Freesia refracta)は、
南アフリカ原産の、アヤメ科の球根植物です。
和名はアサギスイセン(浅黄水仙)や、
コウセツラン(香雪蘭)と呼ばれています。
八丈島では毎年、春分の日から4月上旬まで、
「フリージア祭り」が開催されていて、
花の摘み取り体験ができたり、
八丈島の郷土料理を振舞ったりしています。
フリージアは、茎の片側に百合のような小さな花が並んで咲く、
愛らしさや、甘くさわやかな香りで人気です。
白・黄色・紅・ピンク・赤紫・藤色・オレンジ色などの、
6弁花が、かなり豪華に6~12輪ほど咲きます。
八重咲きや、半八重咲き種も、最近は出回っています。
9月~10月上旬に球根を植え、
2月中旬から4月下旬まで花を楽しむことができます。
■フリージアの育て方 栽培方法
・球根選び
大きくて、しっかりしまっていて、
皮がついている球根を選びます。
形がいびつだったり、先の部分が細いものは避けます。
根が出る底の部分に、傷やカビがないかも確認します。
・植え付け
植え付けは、9月~10月上旬頃に行います。
フリージアは連作を嫌うため、腐葉土を加えた水はけの良い、
新しい培養土に植えつけるようにします。
赤玉土(小)6:腐葉土4の割合が良いでしょう。
元肥として、緩効性化成肥料を3g/L加えます。
3号鉢には1球、4号鉢には3~5球、5号鉢には7球が目安です。
プランターの場合は、10~15cm間隔に植えます。
フリージアの茎は長く、倒れやすいので、深植えにします。
発芽後に、さらに3cmほど土を足すと、なお良いでしょう。
・支柱立て
フリージアが倒れそうなら、
支柱を立てて紐などで軽くとめましょう。
・置き場所
植え付け後は涼しい日陰に置きますが、
新芽が伸びてきたら、日当たりの良い場所に移します。
強い寒さには弱く、葉先が痛むので、
冬になったら霜が降りる前に室内に入れましょう。
日当たりの良い窓辺に置くと、花が早めに開花します。
・水やり
新芽が出るまではたっぷり与えますが、
その後は葉が伸びすぎないように水やりはやや控えめにします。
・掘り上げ
花が終わったら、花茎は切り取りますが、
水やりはそのまま続けます。
葉が黄色に変色して枯れてきたら、球根を掘り上げます。
掘りあげたフリージアの球根は、
土や葉、古い球根をきれいに落とし、
ベンレートの1000倍液に30分ほどつけて消毒してから、
乾燥させ、風通しの良い涼しい場所で保管します。
・施肥
植え付けのときと花後に、緩効性化成肥料を施します。
開花中は2週に1回、液肥を与えます。
・病害虫
モザイク病にかかったら、他の株に移さないよう、
見つけ次第すぐに株を抜き取り、処分します。
ウイルスはアブラムシが媒介するため、
アブラムシを見かけたら、オルトラン粒錠をまいて防除します。
POINT!
・球根は9月~10月上旬に植える
・できるだけ新しい培養土、用土に植える
・花後は葉を枯れさせてから球根を掘り上げる
ポピー畑は華やか
ポピー、薄い花びらが美しい
ポピー(学名:Papaver rhoeas)は、
ヒナゲシやグビジンソウ(虞美人草)とも呼ばれる、
ヨーロッパ原産のケシ科の一年草で、
透けるような薄い花びらが可憐です。
虞美人草という名前の由来は、
『四面楚歌』でも有名な古代中国の武将・項羽と、
その愛人・虞との悲恋によります。
項羽が、後に漢を興す武将・劉邦に敗れて追い詰められた際、
虞は、死を覚悟した項羽が詠った垓下の歌に合わせて舞った後、
自刃しました。
虞を葬った墓に、翌年の夏に赤くこの花が咲いたことから、
虞美人草と呼ばれるようになりました。
現在のポピーには赤い花は少なく、パステルカラーが中心で、
ピンク、オレンジ、黄色などが人気です。
9月下旬から10月上旬にかけて種をまき、
4月~5月にかけて開花します。
■ポピーの育て方 栽培方法
・種まき
9月下旬~10月上旬に、ピートバンか種まき用土で、
3号ポットに、3~4粒ずつまきます。
種が見え隠れする程度に土をかけます。
・植え替え
本葉が2~3枚になったら、3号ポットに1本植えにします。
ポピーは直根性なので、根を傷めないように注意してください。
ポットまきの場合は、適宜間引きをしながら育てます。
ポピーは苗の状態のまま冬を越すので、
寒くなる前に株をしっかりと育てないと、
枯れることもあります。
ポピーは、移植を嫌うので、
初心者のかたは、タネまきは直まきしたほうが安全です。
覆土はごく薄く、あるいはなくても良いです。
・定植
3月、根がいっぱいになり鉢の底から根が見えるようになったら、
4.5~5号鉢に植え替えます。
プランターの場合は、15~20cm間隔に植えます。
培養土に、元肥として緩効性化成肥料を加えて植え替えます。
・置き場所
日当たりがよく、風通しが良い場所におきます。
冬は、霜が降りる前に、軒下に移動します。
・水やり
土が乾いたら与えます。
乾燥するとつぼみが落ちてしまいます。
ただし、水をやりすぎたり、風通しが悪いと
ベト病になりやすいので、少し乾かしぎみに育てます。
できるだけ午前中に水やりを行い、
土が乾くまで次の水やりを控えるようにすると、
うまく行きます。
・施肥
定植時の元肥のほか、4~5月の開花時には、月1回、
緩効性化成肥料を置き肥にします。
・病害虫
ポピーにはアブラムシがつきやすいので、
オルトラン粒剤などを根元にまいて防除します。
POINT!
・タネまきは直まきしたほうが、安心
・日当たりが良く水はけの良い用土を好む
・やや乾かし気味に管理すると病気になりにくい
ヒアシンス、冬の寒さで花付きが増す
ヒアシンス(ヒヤシンス、学名:Hyacinthus orientalis)は、
ユリ科の球根性多年草です。
オスマン帝国時代から愛されている花です。
様々な花色があり、芳香を放つため、
早春の観賞植物として人気があります。
手軽にできる水栽培には、
オランダで改良されたダッチ系の品種が適しています。
水栽培、鉢植えともに10月~11月に植え付け、
2~3月に花が咲きます。
ヒアシンスの名前は、ギリシャ神話に由来します。
ギリシャ神話の美青年ヒュアキントスは、
恋人のアポロン神と円盤投げをしていました。
ヒュアキントスを愛していた西風の神ゼピュロスが、
やきもちを焼いて風を起こし、
アポロンの投げた円盤の軌道を変え、
ヒュアキントスの額を直撃させました。
ヒュアキントスは額から大量の血を流して失血死するのですが、
ヒアシンスはこの血から生まれたとされています。
このエピソードから、花言葉は「悲しみを超えた愛」となっています。
■ヒアシンスの育て方 栽培方法
◇水栽培
・球根選び
水栽培は、球根の養分だけで育つため、
できるだけ大きく、ずっしりと重くしまっている球根を選びます。
柔らかい球根や、底や上部が傷んでいるものは避けましょう。
・水栽培
10月下旬~11月頃、水栽培を始めます。
発芽するまでは、球根の底の部分が、
濡れる程度まで水を入れて、暗所に置きます。
根が出たら、水を減らして。
球根と水面を1~2cm程度あけます。
これは、球根が腐るのを防ぐためです。
水栽培用の容器は、専用のものも売っていますが、
ワイヤーを球根に巻きつけたりして、
自分で作るのも素敵です。
・置き場所
カーテンなどで直射日光を避け、
日当たりのよい窓辺に置きます。
・水管理
1週間に1回程度、水を替えます。
水栽培用容器から球根を全部とりだすと、
根を戻すのが大変になるので、
球根を浮かすようにして水を替えるのがコツです。
◇鉢・プランター栽培
・球根選び
底部や上部に傷がある球根や、
ブヨブヨしているものは除きます。
大きさは、水栽培ほど神経質になる必要はなく、
やや小ぶりのものでも構いません。
・植え付け
10~11月、6号鉢に3球を目安に植え付けます。
プランター植えの場合は、10~15cm間隔で植えます。
赤玉土(小)2:腐葉土1の割合で、
球根の上部が隠れる程度に土を掛けます。
排水性のある用土を用い、水はけを良くします。
水やりは、土が乾燥しない程度に行います。
・置き場所
芽が出るまでは日陰でも構いませんが、
芽が出たら風通しの良い日当たりのよい場所に置きます。
一度寒さに当てた方が花付きがよくなります。
・施肥特に必要ありません。
花付きをよくしたい場合は、
植え付けの時に緩効性化成肥料を元肥として与えます。
・病害虫
モザイク病が発生した場合は、
株を抜きとって廃棄します。
POINT!
・水栽培は、とくに重みのある良い球根を
・水栽培の球根は花後に土に植えておくと再利用できる
・一度冬の寒さに当てた方が花付きがよくなる
球根アイリス(Iris、学名:Iris reticulata)は、
アヤメ科アヤメ属、南ヨーロッパおよび地中海沿岸が、
原産の草花です。
別名イリスとも呼ばれています。
アヤメやハナショウブと類似してます。
ヨーロッパで改良されたもので、
球根で増えるタイプです。
主な種類
・ダッチアイリス
・イングリッシュアイリス
・スパニッシュアイリス
・レチキュラータ系
・ジュノーアイリス
草丈は矮性種で15cmくらい、切り花向けのもので
60cmくらいあります。
花色は、紫のほか薄紫、黄色、白系などさまざまで、
花が長持ちするので、いろんな用途で活躍します。
いずれも、9月中旬~11月の植え付けとし、
翌年の4~6月ころ花が咲きます。
■アイリスの育て方 栽培方法
・球根選び
もぎ口がコルク状になってるのがよく、
発根する部分にカビが生えてないか、
観察してから、よい球根を選びましょう。
・植え付け
球根アイリスを鉢植えにする場合は、
深さのある6号鉢に5球ずつ植えるとよいでしょう。
プランターで育てる場合は、
10~15cmくらいの間隔にします。
植え付けの深さは、5~7cmにします。
覆土として、さらに2cmほど土をかけます。
いずれも、水はけのよい草花用培養土、
もしくは赤玉土(小)7:腐葉土3の割合で、
配合した土を用います。
・置き場所
日光がよく当たるところがよいでしょう。
・水やり
土が乾いたら与えます。
球根アイリスには、冬も水やりを続けましょう。
・開花中の管理
花がしおれたら、花首をもぎます。
2番花が終わったら、
早めに花首を、
折り取るのがよいでしょう。
・肥料
球根アイリスの芽が出てきてから、
緩効性の化学肥料を置き肥します。
開花の前後の肥料切れに、気を配りましょう。
窒素系の肥料は控え、カリ系の成分の配合が、
多い肥料を施します。
・増やし方
5月中旬~7月中旬頃、掘り上げます。
母球に3~個ほどの子球が出来ていますので、
これを使って増やします。
地植えまたはポットに植えて、肥料を施しながら、
球根を大きく育てます。
・病害虫
白絹病や、モザイク病を見つけたら、
すぐに抜き取って処分しましょう。
POINT!
・深さのある鉢が育てやすい
・乾燥気味に管理するが冬も水をきらさない
ラナンキュラス、寄せ植えや花壇にも豪華
ラナンキュラス (花金鳳花(ハナキンポウゲ)
学名:Ranunculus asiaticus)は、
キポウゲ科の多年草です。
西アジア~ヨーロッパ東南部や地中海沿岸が原産ですが、
原産地では湿地に生えることと、
葉の形がカエルの足に似ていることから、
学名はラテン語のrana(カエル)を語源としているそうです。
ラナンキュラスの花は、薄い花びらが何枚も重なっていて、
その不思議な豪華さが人気です。
花の色も、赤、ローズ、ピンク、オレンジ、
白、レモンイエロー、紫と多彩です。
巨大輪万重咲で育てやすく、
一般的な系統であるビクトリアストレイン系、
オールドローズのような形の巨大輪のドリーマー系、
草丈25cm程度の矮性種のドワーフ系が、
主に販売されていますが、鉢植えにはドワーフ系が適しています。
なかでも、ワンダーランドシリーズやドワーフビクトリアス、
トレインシリーズなどが適しています。
植え付け時期は9月~10月で、3月~4月に開花します。
■ラナンキュラスの育て方 栽培方法
・植え付け
ラナンキュラスの植え付け時期は、9月~10月です。
乾燥したラナンキュラスの球根は、休眠している状態です。
急激に水分を吸わせると腐敗しやすいため、
徐々に吸水させてから植えつけます。
底が平らになっている容器に、
球根の、筆の穂先のように先が細くなっている方を下にして置き、
ひたひたの水につけて十分に水を含ませます。
球根がふくらみ、小さな芽も出てくるので、
そうしたら植えつけます。
ラナンキュラスは酸性土を嫌うので、
水はけの良い用土に石灰をすきこんで中和し、
緩効性化成肥料を混ぜた土に植えます。
5号鉢に3球を目安に植えます。
プランターの場合は、10~15cm間隔で植えつけます。
浅植えにし、1~2cm覆土します。
・置き場所
ラナンキュラスは日当たりと乾燥を好みます。
高温多湿の環境では、生育が悪くなるため、
日当たり、風通しのよい屋外で育てます。
冬は、室内に置くか、霜よけをします。
花芽を形成させるため、一度寒さに当てます。
・水やり
土が乾いたら与える程度でよいです。
水を与えすぎると、
葉や花が腐る灰色カビ病になりやすいので、
乾燥気味に育てます。
・掘り上げ
花が終わったら、花を切り取り、栽培を続けます。
6月になり葉が黄色くなったら、
晴れた日に掘り上げて土を落とし、
風通しの良い場所につるしてよく乾燥させ、
網袋などに入れて保管します。
・施肥
植え付け時に、緩効性化成肥料を施します。
・病虫害
ハモグリバエが発生しやすいので、
オルトラン粒剤で予防します。
ハモグリバエが大量発生すると、生育が遅れます。
また、それほど多く発生していなくても、
幼虫(ウジ)がトンネル状に葉の内部を食べ進むため、
白っぽい不規則な模様を描き、見た目が悪くなります。
POINT!
・球根は徐々に吸水させてから植え付ける
・日当たり、風通しのよい屋外で育てる
・6月頃、葉が黄色くなったら掘り上げて乾燥させて保管する
ミヤコワスレ、薄い紫もある
ミヤコワスレ、ピンクや白も愛らしい
ミヤコワスレ(都忘れ、学名:Gymnaster savatieri)は、
キク科の植物で、別名に野春菊、東菊があります。
山野に自生するミヤマヨメナの園芸品種として、
栽培されるようになりました。
植え付けは9月~10月、開花期は5月~6月頃です。
ミヤコワスレは濃い紫色の花が一般的ですが、
品種改良が進み、白やピンクの花もあります。
鉢植えには、草丈が15cm程度の矮性種がお勧めです。
ミヤコワスレの名前の由来は、
鎌倉時代の承久の乱で敗北し、佐渡に流された順徳天皇が、
この花を見ると都への思いを忘れられると語ったという故事に拠ります。
この由来により、ミヤコワスレの花言葉は「別れ」や「しばしの憩い」です。
■ミヤコワスレの育て方 栽培方法
・植え付け
水はけがよく、保水性のある培養土を用います。
市販の草花用培養土か、
赤玉土(小)6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で混合します。
緩効性化成肥料を3g/L加えます。
一回り大きな鉢に植えます。
プランターの場合は、葉と葉が触れる程度の間隔で、均等に植えます。
・置き場所
半日くらい日陰になる場所が適しています。
西日が当たる場所は避けます。
・水やり
土が乾いたら与えます。
乾燥に弱く、水切れは花つきを悪くするため、
たっぷりと水を与えます。
・植え替え
ミヤコワスレは根の成長が盛んなため、
鉢植えの場合は根詰まりしやすいため、
1年おきに植え替えます。
大型のコンテナの場合は1~2年は、
植えっぱなしでも花が咲きますが、
3~4年に1回を目安に植え替えを行うと、
株がよく育ち、花つきも良くなります。
・差し芽
5月下旬~6月頃に行います。
株元から2~3節残して茎を切り、
葉を2枚残して下葉を取って差し穂を作ります。
赤玉土などに挿し、根が出たら、鉢上げします。
・株分け
9月~10月頃に行います。
花後、花茎を切り、根を育てます。
株元から新芽が伸びてくるので、
1芽ずつわけて、4.5~5号鉢に3株を目安に植えます。
・施肥
春と秋に1回ずつ少量の発酵油粕などを施します。
・病虫害
ミヤコワスレはアブラムシがつきやすいので、
オルトラン粒剤を株元にまいて防除します。
POINT!
・半日くらい日陰になる場所で育てる
・鉢植えは根詰まりしやすいため1年おきに植え替える
・挿し芽で比較的容易に増やせる
イソトマ(Laurentia、学名:Isotoma axillaris)は、
キキョウ科イソトマ属、オーストラリア原産の、
半耐寒性常緑多年草、春まき一年草です。
別名ローレンチアなどとも呼ばれています。
通常、イソトマは、初夏から秋にかけて花が咲きます。
温室栽培された鉢花が、春から店頭に並びます。
主な種類
・ブルースター
・ホワイトスター
星形の花をつけ、細長くとがった葉を持ちます。
可愛い花ですが、花言葉は「猛毒」とショッキングです。
イソトマの液汁が、毒を持っているといわれています。
花色は、白、藤色、青紫、クリーム色などがあります。
長い開花期を最大限に楽しむために、
ハンギングバスケットに仕立てたり、
壁掛け鉢に植えてもすてきです。
広がるような株なので、スタンド鉢でもきれいです。
タネまきは3月下旬~4月上旬に行うと、
5月~11月中旬ころまで、花が咲きます。
イソトマのブルー
■イソトマの育て方 栽培方法
・タネまき
タネまきは、3月下旬~4月上旬が適期です。
発芽には、15℃程度必要なので、
フレームなどを用いて温かくします。
本葉が2~3枚ほどになってから、
ポットに鉢あげをします。
・苗選び
イソトマの鉢は、主に春に出回ります。
葉の色つやをよく観察し、
つぼみのよくついたものが、よいでしょう。
ひょろひょろしているようなものは、
丈夫ではないことが多いので、避けましょう。
・定植
5月の半ばころに、植え付けをします。
水はけのよい培養土を用いますが、
堆肥や腐葉土などを混ぜた用土がよいでしょう。
・置き場所
風通しのよい、日なたの環境で育てます。
梅雨の時期や、雨が長く降るような時は、
軒下などの、明るい場所に移動させます。
・水やり
土が乾いてからたっぷり与えます。
過湿を嫌いますので、
水やりのタイミングに注意します。
・肥料
イソトマには、2週間に1回くらい、
液肥の追肥をあたえます。
・病害虫
排水不良の環境や、過湿になると、
灰色カビ病の心配が出てきます。
POINT!
・日当たりのよい場所に置く
・風通しを良くして過湿にしない
・液肥は薄めにしたものを与える
アキメネス(Orchid pansy、Widow's tears、
学名:Achimenes)は、イワタバコ科アキメネス属、
メキシコ、アルゼンチン、ブラジルが原産の、
春植えの球根花です。
別名ハナギリソウなどとも呼ばれています。
主な種類
・グランディフロラ
・カンディダ
アキメネスの草丈は15~20cmと低めで、
小さな花を次々と咲かせます。
花色は、赤、ピンク、赤紫、紫、白などがあり、
園芸品種が豊富で、八重咲きはとてもきれいです。
窓辺に飾れる鉢花として人気があります。
ハンギングバスケットにしても、
あふれるような花が、空間を癒してくれるでしょう。
球根は4月に植えつけ、開花期は6月中旬~9月です。
アキメネス、花が次々と咲き楽しめる
■アキメネスの育て方 栽培方法
・苗選び
初夏から園芸店で求めます。
茎が太く、株が全体的にしっかりしたものを選びます。
丈も低めの方がよいでしょう。
葉が傷んだもの、枯れたものや、
下の葉が黄ばんでいるものは避けましょう。
・置き場所
室内のレースのカーテン越しの窓辺で管理します。
直射日光は避け、半日陰になるようにしましょう。
暑さや寒さに当てないようにします。
とくに冬は、凍らない程度の室温を保つようにします。
・水やり
鉢土の表面が乾いたら、水をたっぷりあたえます。
葉や花には、水がかからないように、
水やりをするのがコツです。
秋を迎えたら、霜の季節になるまでに、
少しずつ水やりの回数を減らし、
冬には完全に水やりを停止して、
冬越しをさせましょう。
・定植
アキメネスの冬越しが済んだら、
4月に新しい用土で植え替えます。
赤玉土・腐葉土・川砂を、
4:4:2の割合で配合した用土を用います。
・ピンチ
5月ころ、10㎝ほど新芽がのびてきたころ、
摘芯をして、わき芽を増やします。
・肥料
春と秋に、規定量よりも、
薄めの液肥を月に1回、あたえます。
POINT!
・直射日光を避けて室内で管理する
・高温は避け、風通しのよい環境にする
・冬は乾燥させて冬越しさせる
木立ち性ベゴニアは夏の暑さと冬の寒さに少し弱い植物です。
生育適温は10℃~25℃ぐらいを好みます。
植物園の温室など気温が安定している環境では、
1年中花を咲かせ、鑑賞することが可能です。
シャンデリアのように花房が垂れ下がる品種は、
吊り鉢仕立てにすると、下から見上げた時に豪華な姿を楽しめます。
直射日光にあまり強くないので、半日陰に置きます。
冬は室内に取り込み、窓辺の光があたる暖かい場所が適しています。
いろいろな品種があります
■木立ベゴニアの挿し木の方法
1.適した時期は5月~6月
気温が15℃~25℃ぐらいが一番根が出るので、
木立ち性ベゴニアを挿し木でふやすには、5月~6月が適しています。
節と節の間が詰まった充実した茎や枝を切り取り、
3節ぐらいに切り分けて挿し穂とします。
2.土の割合と置き場所
土の配合割合は、水はけがよく有機質に富んだ酸性土が理想的です。
たとえば赤玉土(小)3 ピートモスまたは腐葉土3
バーミキュライト3 鹿沼土1のような軽い土壌が適しています。
挿し床の置き場所は直射日光が当たらない、明るい日陰が適しています。
土の表面が乾かないよう水を与えながら管理すると、
1か月ぐらいで根が生えてきます。