早春の紅梅
高貴な雰囲気の白梅
■ウメの育て方 栽培方法
・苗選び
ウメの苗木は接ぎ木苗が多いので、
品種の確認(一輪咲き、あるいは八重咲き)と、
接ぎ口の状態が良いかを観察します。
よくわからない時は、花つきの株を購入した方が無難です。
また実ウメは1本では受粉しにくいので、
違う種類の苗木を2本以上植えることが、
実を生長させる条件になります。
・植え付け
12月中旬~2月が最適です。
寒い地方では4月まで大丈夫です。
芽吹きの前に根が動き出すので、植え付けが遅くなってしまうと
新しい根を傷めてしまうので注意が必要です。
水はけ、日当たりの良い場所を選び、
枝が大きく広がって伸びるので
空間を広くとって植え付けます。
湿地は嫌うので避けます。
ウメが生長してゆとりがなくなった場合は植え替えも可能ですが、
3月上旬までに作業を終わらせておきます。
植え穴は大きく深く掘り、やせた土地には肥料を混ぜて、高植えにします。
苗木の地上部は2分の1~3分のに切り詰め、新しい枝が伸びるようにします。
◎剪定のコツ
ウメは剪定を行うことで花が咲く枝を増やし、
樹形を作っていく楽しみの多い花木です。
自然に形を作っていく方法と、
枝や葉の茂っている部分に太陽光が入るように注意をし、
盃状仕立てもボリュームが出て迫力があります。
花芽がついていない長い枝は、12月下旬から1月に、
半分位の長さまで切り詰め、短い枝を出させます。
短く切りすぎると、さらに生長してしまう枝が伸び、
短い枝ができなくなるので気をつけます。
鉢植えの花ウメは、花が咲いた後に剪定を行うと、
その年に短い枝ができ、次の年から花がたくさん咲きます。
庭植えの実ウメや花ウメは、花が咲いた後に剪定を行うと、
せっかく実がなった部分を切り落とすことがあるので、
必ず、冬に行うようにしましょう。
切り詰める時は枝の途中から発生しているわき芽のうち、
外側へ向かって伸びている外芽の上で切り、
枝が外側へ伸びるように誘導します。
これをずっと繰り返していると下の方に短い枝がなくなり、
花が上の方にしか咲かなくなります。
そこで、6~7年に一回、12月下旬から1月に、
樹形を整えるために強剪定を行います。
枝が落ちてしまう分、花の数は減ってしまいますが、
好きな樹形に整えるために思い切った切りこみができます。
次の年は短い枝が出ず、長い枝が出てきますが、
これを半分ぐらいに切り詰めると短い枝が出てくるようになります。
太い枝を切った時は、保護剤を塗るようにします。
・増やし方
欲しい品種を増やすには、接ぎ木が一番確実です。
プロは挿し木で台木を作りますが、
一般的には難しいので、熟したウメの実の果肉をよくとってまき、
2年間育ててから台木にします。
3月中旬から下旬に台木を短く切り、接いでいきます。
・施肥
12月下旬~2月上旬、8月下旬~9月上旬の2回、
骨粉、油かす、粒状化成肥料等を木の生長に合わせて与えます。
窒素分が多すぎると枝が生長しすぎて、
花が咲きにくくなるので注意します。
・病虫害
ケムシ類、コスカシバ、アブラムシなどの害虫をよく見かけます。
黒星病も注意する必要がある病気です。
葉が茂る4~6月に殺虫・殺菌剤を定期的に使います。
さらに効果的な方法として、
12~2月に高濃度の石灰硫黄合剤を散布します。
育て方のポイント!
・苗木は接ぎ木苗が多いので品種の確認をしっかりチェックします
・わかりにくい時は開花株を選びましょう
・実ウメは違う品種を2本以上植えて受粉しやすくすします