ウメには花ウメと実ウメがある
ウメには園芸品種だけでも300種あるという
ウメ(梅、学名:Prunus mume)は、
英名が(Japanese apricot)であることからも、
日本を代表する花木と言えます。
好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)、
木の花(このはな)、初名草(はつなぐさ)、
香散見草(かざみぐさ)、風待草(かぜまちぐさ)、
匂草(においぐさ)などの別名があり、
古来から日本人に親しまれてきました。
ウメには園芸品種だけでも、
300品種以上もあるといわれています。
観賞用の花ウメと、実を食べる実ウメに分けられます。
花ウメは、野梅性(枝が細く葉が小さい)、
緋紅性(赤く美しい花が咲く)、
豊後性(枝が太く葉が大きい)などに大別されます。
鉢植えには次の3品種が人気です。
・冬至...花色が白で、一重咲き
・道知辺...ピンクの一重咲き
・八重寒梅...濃いピンクの八重咲き
■ウメの育て方 栽培方法
・苗木選び
苗木のほとんどが接ぎ木苗ですが、
ウメの台木のものとモモの台木のものがあります。
根が白っぽいウメの台木のものを選びましょう。
桃の台木の苗は根が黄色く、
接ぎ木の部分から裂けてしまうことがあります。
高さが1~2m前後で、
幹の太さが女性の親指くらいの、
"特等苗"が良い苗です。
根張りがよく、細かい根が、
たくさん出ている苗を選びます。
・植え付け
植え付けは、ウメが芽吹く前の、
1月~2月上旬頃に行います。
芽のつき方をよく見て、
30~50cmくらいに切り詰めます。
古土を2/3くらい落とし、
根も鉢の大きさに合わせて切ります。
ウメは水はけと排水性の良い肥えた土を好むので、
排水性のある培養土に腐葉土を多めに加えたものを用い、
5~6号鉢に植えつけます。
赤玉土で中央をやや高めにする高植えにします。
・置き場所
屋外で日当たりがよく、風通しのよい場所におきます。
・水やり
土が乾いたら与えます。
ただし、5~6月頃の新芽が10cmくらい伸びた頃に、
水を少なめにするとウメの生長が止まり、
花芽がつきやすくなります。
木の性質として、伸びようとしているときに、
生長を抑制されると、勢いが弱って、
子孫を残そうとして花や実をつけるからです。
葉がしおれてきたら水を与える程度に管理すると、
幹から上に向かってまっすぐに長く伸びる、
徒長枝(とちょうし)も伸びなくなり、
無駄な養分の使用が抑えられ、花付きもよくなります。
生長が止まったのが確認できたら、
今までどおり土が乾くたびに水をたっぷり与えるようにします。
・芽摘み
4月に入って伸びてきた新芽を指先で摘み取ります。
接ぎ木苗は台木からも新しい芽が出てくることがありますが、
その芽は早めに摘み取ります。
・剪定
梅は長い枝には花をつけず、短い枝に花をつける習性があります。
そのため剪定をすると花付きが良くなります。
剪定は、4月~5月頃に行います。
花のつかない長い枝を、数芽を残して外芽の1cm位上で切ります。
すると翌年は、上の方は伸びて再び長い枝になり、
下の方が花の咲く短枝になります。
伸びた長い枝は再び剪定すると、短枝に花芽ができます。
これを繰り返すと、下の花芽がつきにくくなり、
花がどんどん上へ行ってしまうため、
何年かしたら思い切って強く切り戻します。
・施肥
花が咲き終わったらお礼肥えと、
2月頃に寒肥として緩効性化成肥料を施します。
幹から上に向かってまっすぐに長く伸びる、
徒長枝(とちょうし)がたくさん伸びている木は、
窒素肥料を控えめにします。
・病虫害
アメリカシロヒトリには、スミチオンの1000倍液を散布します。
アブラムシなどの害虫や、枝葉につくカイガラムシなどの、
被害もありますので、見つけたら薬剤を散布します。
POINT!
・5~6月頃の新芽時の水やりで結実が良くなる
・じょうずに剪定をすると花付きが良くなる
・花後のお礼肥と寒肥を忘れずに