豪華な藤棚
科名:マメ科
形態:落葉つる性
英名:Japanese Wisteria
学名:Wisteria
原産:日本など
開花:4月~6月
一般にフジ(藤)と呼ばれているのは、つるが右巻きの
ノダフジのことを指します。
大阪の野田界隈が昔からフジの名所であったことから
名前が付いた説があります。
日本では万葉の時代から花の鑑賞をはじめ、
つるが大変丈夫なので、籠などの道具の材料に使われてきました。
また全国各地に名所があり、日本人に親しまれてきた花木です。
・品種
フジは多くの品種がありますが、
主に「ノダフジ系」と「ヤマフジ系」の2種類に分かれます。
ノダフジは花房が長く、つるが右手親指方向巻きが特徴です。
花房の長さが1.2~1.8mを超すナガノダフジ(ナガフジ)、
濃い紫色の花を付けるヤエコクリュウ(八重黒龍)、
ノダフジの一品種クチベニフジ(口紅)などがあります。
ヤマフジは花房が短く、つるが左手親指方向巻きが特徴です。
花付きの良い白花種シロカピタン(白花美短)や
濃い桃色の花が美しいショウワベニ(昭和紅)などがあります。
フジの良い香りがする
■フジの育て方 栽培方法
・苗選び
品種によって花の色、房の長さなど特徴が違います。
藤棚を作る際、シロカビタンのように花つきがよくても、
房の長さが短く適していない品種もあるので、
それぞれの性質、目的、好みなどに応じて選び入手します。
・植え付け
落葉時期の2月下旬~3月中旬、あるいは11月~12月に
日当たり、水もちのよく湿度が高い肥沃な場所を選び
腐葉土や堆肥を十分にすき込んでおきます。
棚のある無しに関係なく、かなり大きく広がって生長するので、
十分な空間場所を確保してから植え付けます。
・剪定
8月ごろに花芽をたくさんつけさせる目的で弱い剪定を行います。
伸びすぎたつるを20cmぐらいほど切り、あとは放任します。
樹の内側にも光が入るよう、込み入った場所は整理します。
落葉時期の12月~3月は樹形を整えるための剪定です。
伸びすぎたつるは、花芽と葉芽を確認しながら、
花芽を切り落とさないようにして切り戻します。
膨らんだ芽が花芽、尖った芽が葉芽なので区別は難しくありません。
絡んだつる、内側へ向かって伸びたつる、ヒコバエなど
不要なつるはつけ根から切り落とし、
短枝に花芽がつくように整えます。
・増やし方
フジは3月ごろ接ぎ木で増やすことが可能です。
・施肥
2月と8月下旬ごろ、油かすと骨粉を同じ量まぜたものを
3握りほど株元に与えます。
フジはマメ科植物なので根粒菌で窒素肥料成分を作るので、
窒素分を多すぎないようにし、花つきが悪くならないように注意します。
・病害虫
つるにこぶが出来てしまった時は、見つけ次第こぶを切り取り、
切り口には癒合剤を塗って、細菌や雨の侵入から防御します。
5月ごろに発生するハムシ、ハマキムシなどは、
薬剤をまいて防除し、見つけ次第駆除します。
育て方のポイント!
・枯れた花房や豆鞘はこまめに取って樹の生長を促します。
・乾燥を嫌うので、粘質でやや重く湿潤な土を好みます。
・冬の剪定は花芽がついていても、落葉時期まで待ってから行います。