シクラメン、上手に育てると5月くらいまで咲き続けます
シクラメンには、一般的な大型シクラメン、原種シクラメン、
耐寒性に優れたやや小型のガーデンシクラメンが、あります。
どの品種も同じように世話の仕方を紹介されることが多いのですが、
昔から園芸店に出回っている鉢植えの大型のシクラメンは、
性質がやや神経質で、耐寒性・耐暑性も弱いです。
ここでは、その一般的な鉢植えの大型シクラメンの、
越冬方法について、わかりやすくご紹介します。
■シクラメン 冬の育て方
1.置き場所
◎日当たり
冬~春までは、風通しと日当たりの良い場所で育てます。
半日陰で日当たりの悪い場所でも、枯れることはありませんが、
花付きが悪くなることがあります。
半日陰よりもさらに日当たりの悪い場所になると、
花付きが悪くなるだけでなく、葉が黄色くなったり、
徐々に株が弱って枯死することがあります。
◎温度
冬、花がよく咲いている時には、
最低温度5℃、最高温度20℃ぐらいの所が最適です。
日光が良く当たる屋内の窓ぎわや縁側などの日だまりが良いです。
窓ぎわは、夜間冷え込むので、夜のみ部屋の中央に移動したり、
厚手のカーテンするなどで防寒します。
暖房器具の温風が、シクラメンに直接当たる場所に置くと、
株が傷むので注意してください。
暖房している部屋や乾燥している部屋では、
葉に水をスプレーすると水分を補え元気に生育します。
冬は、最低温度5℃、最高温度20℃に保ちます
2.水やり
シクラメンは、適湿~乾燥気味の環境を好みます。
鉢で容器栽培をしている場合は、
土の量が制限されているので、乾きやすい環境です。
シクラメンは、土の状態をよく確認するようにし、
表面が乾いてから2日~3日ほど経ったら、
鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えるようにします。
何も考えず、ただ毎日水を与えてしまうと、
過湿になって根や球根を傷めることがあります。
必ず土の状態を確認し、乾いていたら与えるようにしましょう。
また、水を与える時は、球根に水がかからないように注意します。
球根に少し水がかかる程度なら問題ありませんが、
球根の中心にある凹みに水が溜まると、
そこから球根がカビたり、腐ってしまうことがあります。
また、葉の上から水を与えてしまうと、
葉に水がはじかれて土まで到達しないことがあります。
水を与える時は、葉を手でよけながら、
株元の土にそっと与えるようにしましょう。
3.肥料
冬の間も花を咲かせ続けるので、
肥料切れにならないように注意します。
しかし多肥にしてしまうと、
肥料焼けをおこして根が傷んだり、葉の色が悪くなるので、
多くの肥料を与える必要はありません。
1ヶ月に1回のペースで緩効性の固形肥料を与えるか、
1週間に1回のペースで規定より少し薄めに作った液体肥料を、
水の代わりに与えるようにします。
液体肥料を与える時は、水を与える時と同様に、
球根に直接液肥が、かからないように与えましょう。
4.花ガラ摘み
シクラメンの花が傷んできたら、花ガラ摘みを行います。
花ガラをそのままにしておくと、実をつけてしまうことがあります。
実をつけるのに体力を使ってしまい、
その後の花付きが悪くなったり、株が弱ることがあるので、
種を作る目的がない場合は、こまめに花ガラを摘みましょう。
花ガラを摘む時は、ハサミで花茎を切るのは避けるようにします。
花茎の付け根近くを指でつまみ、軽くひねるようにすると、
花茎ごときれいに取り除くことができます。
葉組み、花寄せ、鉢回しをすると美しい姿で咲き続けます
5.葉組み
シクラメンは秋~春までが生育期です。
そのため、冬の間も休まず葉を伸ばし、花を咲かせ続けます。
葉と花芽は球根の中心から伸びてくるのですが、
先に育った大きな葉が邪魔になり、
まだ小さな花芽に日が当たらなくなることがあります。
花芽は日が当たらないと、小さなまま枯れてしまったり、
蕾が開かないということがあるので、
できるだけ日を当てるようにしてあげます。
葉を外側に動かし株の中心に日が当たるようにするのが、
「葉組み」という作業で、開花を促すためにとても大切です。
株の中心に茂っている葉を、指で軽く引っ張って外側に移動させます。
葉がちぎれたりしないように、優しく動かしましょう。
中心に寄っていた葉を外側に移動させ、
中心から外れている蕾を中央に寄せる、
「花寄せ」も、同時に行います。
中心から伸びてきている花芽に、
日が当たり蕾が中央に寄れば、作業は完了です。
生育する間は、定期的に葉組みの作業をしてあげると、
外側も中心も株全体に日がよく当たり、生育もよくなります。
シクラメンは1枚の葉に1つの花がつくと言われています。
株の生育がよくなり、葉がよく茂れば、
その分花芽もよく上がるのですね。
6.鉢回し
シクラメンの株に平等に日光を当てるために、
2週間に1回くらい鉢の向きを回してあげます。
すると花や葉の広がりに偏りが少なくなって、
どこから見ても、きれいに咲いてくれます。
>>詳しいシクラメンの育て方はこちらです。
■参考
・シクラメンの栽培|咲かない、枯れる理由は?
・シクラメンの育て方|葉組みと花寄せをして形を整え栽培
・シクラメン 夏越しは?
・シクラメン 葉が黄色くなる理由は?