モッコクの実
モッコクの美しい実と葉
科名:ツバキ科
形態:常緑中高木
英名:Ternstroemia
学名:Ternstroemia gymnanthera
原産:日本、中国他
開花:6月
「モッコク」と呼ばれている名前の由来は
モッコウバラの中国名「木香」の誤った使い方からの説、
ランの種類のひとつセッコクに花の姿が
似ているところから呼ばれている説などいくつかあります。
モチノキ、モクセイ、モッコクを
庭木の御三家として愛されていた時代もありましたが、
現代では風格が出るまで樹齢がかかるため
昔よりも敬遠されている傾向があります。
材は床柱や櫛などに用いられています。
樹皮にはタンニンを多く含んでいるので、
茶色~赤褐色に染まる繊維の染料として利用していました。
・品種
不規則な斑点が入るフイリモッコク、
沖縄の自生種ヒメモッコクがあります。
■モッコクの育て方 栽培方法
・苗選び
モッコクは生長が遅く、4年でやっと50cmぐらいの高さになります。
枝の長さや太さを気にするよりも、芽が充実してついているものを
選んで入手します。
・植え付け
5月、あるいは8月下旬~10月上旬に
日当たり、水はけよい肥沃な場所に植えます。
風が良く当たる場所は避けます。
大きめの植え穴を掘り、堆肥をたくさんまぜ高植えにします。
苗木が大きい時は支柱を立てます。
・剪定
開花が異常に多い時は木が元気がない証拠です。
強い剪定を避け、肥料を与えます。
モッコクの剪定は年に一回、6月~7月または10月下旬~12月、
不要枝を整理し、一カ所から4~5本枝が出ている場所を
つけ根から間引き剪定を行い、2又にします。
・増やし方
モッコクは実生からふやすことが可能です。
秋に果実を採り、果肉を取り除きます。
乾かさないように湿らせた砂などと一緒に保管し、
2月下旬~3月にまきます。
・施肥
2月と8月下旬の2回、油かすに2割ほどの骨粉をまぜ、
2握りほど根元に与え、通気性をよくします。
・病害虫
ハマキムシ、特にモッコクハマキが梅雨から9月にかけて
多く発生すると葉を食害して数日で丸坊主になってしまいます。
葉を一枚一枚取り除き駆除するのが確実ですが、
数が多い時は手が回らないので薬剤を散布します。
カイガラムシやすす病の発生を防ぐために、
透かし選定で風通しをよくしながら定期的に殺虫・殺菌剤をまきます。
育て方のポイント!
・やや寒さに弱いため、関東より西の地方が栽培には適地です。
・西日や乾いた寒風が強く当たる場所は避けます。
・透かし剪定で風通しをよくし、ハマキムシに注意します。