毎年咲いていたサクラが、なぜか突然咲かなくなったり、
開花株を購入したのに、翌年から咲かなくなることがありますね
サクラの木や盆栽が花を咲かせることができないのには、理由があります。
その理由を解消してあげれば、また咲かせるようになります。
■サクラ 花が咲かない
1. 日照不足
サクラは日当たりの良い場所を好むため、日照不足だと花を咲かせなくなります。
花芽を形成しても、その芽をうまく開花までもっていくことができなかったり、
株が充実しないため、花芽を形成することができないこともあります。
方角的には日当たりが良い場所でも、
周りの建物などによって、光が遮られてしまうことがあります。
また、高さによって日当たりが変わることもあります。
低い位置はよく当たるけれど、高い位置は当たらない、その逆もあります。
サクラを植え付ける、あるいは鉢植えを置く場所の、
日当たりは、じゅうぶんチェックしておきます。
日当たりが良いと思っていても、案外悪い場合もあります。
一日のうち、午前中、日中、夕方と日の当たり具合を確認してから、
植え付けや置く場所を決めるようにします。
日当たり自体はよくても、枝が混んで、株の中心の日当たりが悪くなると、
花数が極端に少なくなることがあります。
不要な枝は整理し、中心までしっかりと光が入るようにすると、
枝が減っても、結果的には花数が増えるようになります!
サクラは、日当たりが好きです
2. 環境の変化
サクラは環境の変化に弱い性質があります。
新しい環境に慣れないうちに、花芽を形成する時期や開花の時期など、
サクラにとって大事な時期になると、うまく生育できないことがあります。
苗を購入してきて植え付けるだけでも、
環境が変わるので、サクラにとっては大きなストレスです。
また、日当たりの悪い場所から良い場所に移動させる時、
いきなり日当たりの良い場所に置くと、ストレスになります。
ほかの植物も同じですが、
鉢植えの置き場所を変える時などは、必ず徐々に慣らしていくようにします。
3. 追肥の方法が間違っている
花を咲かせるためには、株が充実していることが重要です。
株を充実させるためには、日照を確保したり、
病害虫防除が必要ですが、追肥がかなり重要となります。
サクラの追肥は大まかにいうと年に2回です。
1回目は、芽が動き出す2月頃で、2回目は花芽を形成する8月~9月頃です。
この追肥のタイミングを間違えると、花が咲かなくなることがあります。
特に8月~9月に与える肥料は、木を肥らせて充実させるとともに、
花芽形成の養分を補給するためなので与え忘れないようにします。
鉢植えの場合は、土の容量が少なく、肥料分も流れ出やすいため、
追肥は2回に限らず、木の調子を見て与えましょう。
サクラの花芽は前年の夏ごろできます
4. 剪定の時に花芽を落とした
通常、12月~2月頃が剪定の時期です。
サクラは基本的に、混み合っている部分を、
すくように根本から切る、間引き剪定をします。
この時、花芽のついている枝を中途半端に切り戻したりすると、
必然的に花芽を落とすこととなり、花数が減ってしまいます。
剪定が不適切な場合、花芽を全部落としてしまい、まったく咲かないこともあります。
ヤエザクラやシダレザクラの場合、枝先に集中して花芽がつくことが多いため、
剪定に迷うことも多いでしょう。
その場合は、開花後に剪定することで、
芽を気にせず安心して剪定することができます。
しだれ桜も剪定に気遣います
5. 花芽形成時期に水切れを起こした
サクラが花芽を形成するのは、だいたい8月頃です。
8月といえば、日本は夏真っ盛りです。
気温が高い上に、サクラも生育期なので水をよく吸い上げます。
その分、土が乾きやすくなるため、水切れを起こすことがあります。
この真夏の時期に水切れを起こすと、花芽の形成に影響が出て、
翌年の開花が見込めない場合があります。
ぱっと見ただけでは、水切れの影響がないように見えても、
その悪影響が一気に春に出てしまうので、注意します。
鉢植えの場合は、土が乾燥していると感じたら、
鉢の底から水が出てくるまでたっぷりと与えるようにします。
地植えの場合も、何日も雨が降らない場合は、
水をじゅうぶんに与えておくようにします。
6. 生育期間中に根を切った
サクラの植え付けや植え替えは、12月頃か2月~3月頃です。
この時期はあまり根も活発には動いておらず、
植え付ける時に根を切っても、その後の生育にはあまり影響がありません。
ところが、4月以降の生育期に入ってから、
何かしらの理由で植え替える時に根を切ったりすると、
サクラの木に大きな負荷がかかります。
根を切られたショックから立ち直るためには時間がかかるため、
翌年に開花する予定だった花芽をうまく形成できなくなることがあります。
鉢植えで植え替え予定の株の植え替えが間に合わず、
根詰まりも起こしている状態の場合は、
一回り大きい鉢に根鉢を崩さずに植え替えるようにします。
それでも株にストレスはかかりますが、根を切るよりは良好です。
サクラの枝や根を我流で無闇に切らないようにします
7. 生育が極端に悪い
日当たりが悪い、風通しが悪い、病害虫にかかった、土が硬い、
土の水はけが悪い、水切れを起こしがちなど、
サクラにとって辛い環境だと、極端に生育が悪くなることがあります。
何年経っても大きくならない株などは、元から弱い株である可能性もありますが、
何かしら生育環境が影響していて、生育が悪くなっています。
育てている環境を見直し、適した環境と管理で育てることで、
株が、徐々に元気を取り戻し、持ち直せるかもしれません。
株が正常に育ち始めれば、花芽の形成もでき、開花が望めます。
8. 株が若い
実生から育てた株の場合、開花までに年数がかかります。
サクラの種類によって、開花までの年数が変わります。
5年~10年、それ以上という場合もあるため、
何年で開花するとは言い切れないのが現実です。
それでも、大切に育てることで、
必ず開花するはずなので、気長に待ってあげましょう。
■参考
・サクラの育て方|品種と植え場所をよく選びます
・サクラを小さく育てるコツ
・シダレザクラの育て方|生長期の剪定はせずに栽培
・シダレザクラの剪定 図解
・サクラ育て方 12ヶ月