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サクラの育て方 1月

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冬のサクラ


1月は冬真っ只中ですが、サクラの品種によっては、根が動き出しています。
ほとんどの品種はまだ休眠中なので、生育期とは違った栽培管理となります。

1月の主な作業は、剪定と追肥です。
この2つを行うことにより、春以降の生長が格段に違ってきます。


[サクラの育て方 1月]


■基本の栽培管理

・サクラの状態
サクラにもたくさんの品種があり、それぞれに特徴があります。
中でも「十月桜」「冬桜」「ヒマラヤザクラ」「彼岸桜」「大寒桜」などは、
冬の間もちらほらと花をつけることがあります。

そのような品種の場合は、冬の間も根を動かしているので、
一般的なサクラとは状態が異なります。

地域や品種により、すでに葉も花もつけている場合もあります。

一般的なサクラの場合は、一見すると葉もなくなり少し寂しい気がします。
でも、春を迎えた時に美しい花を咲かせるため、芽は着実に生長しています。

落葉を始めた頃には分かりにくかった花芽も、
目ではっきりと確認できるようになるため、剪定作業も楽になります。


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今年も立派に咲きますように


・水やり
1月は厳寒期で、1年で最も寒い時期です。
ほとんどの品種が休眠期ということもあり、あまり多くの水を必要としません。
気温も低く、蒸散する量も少ないため、土も乾きにくいです。

地植えの場合は、降雨だけでも問題ないでしょう。
雨が降らない日が続いた時などで、あまりにも土が乾燥していたら、
水を与えるようにしてください。

鉢植えの場合も、頻繁に水を与える必要はありません。
雨の当たらない場所に置いている場合は、
だいたい7日~10日に1回くらいのペースで十分です。

水を与える時は、必ず土の状態を確認して、乾いているようであれば与えます。
土の表面が湿っている場合は、無理に水を与える必要はありません。

ただし、雨が降っても当たらない場所では、水やりを忘れないように注意します。
冬でも水切れで枯れることはあります。

雨に当たる場所に置いている場合は、さらに水やりの頻度が減ります。
雨が降れば水を与えたのと同じことになりますが、
パラパラとしか降らなかった場合は気をつけて水を与えます。

時々は土の状態をチェックし、土が乾いていたら、
雨の当たる場所であっても水やり行いましょう。

・追肥
1月下旬頃、寒肥といて地植えも鉢植えも追肥を行います。

地植えの場合は、木の周囲に溝を掘り、そこに堆肥・油カス・完熟鶏糞など、
有機質の肥料を入れて埋め戻します。

サクラの根は土の下にあるため、当然目には見えません。
目安として、根は枝と同じくらいの場所まで伸びます。

そのため、肥料を与える時は、枝先を同じくらいの場所に溝を掘るようにします。
中心の幹に近い部分に肥料を与えても、肥料分を吸い上げる根はありません。

鉢植えの場合は、油カスに骨粉を30%ほど混ぜた固形の肥料を与えます。
最近では、油カスと骨粉を混ぜて固形にした肥料も市販されています。

与える肥料の量は、鉢の大きさによって変わります。
追肥する量の目安も、パッケージに記載されているので参考にしてください。

・病害虫の予防
カイガラムシが発生することがあります。
枝などに白いものがついていたら、カイガラムシであることが多いです。
歯ブラシなどを使ってこそぎ落とし、マシン油乳剤などの薬剤を散布しておきましょう。


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美しい樹形を作って行きます


■その他の作業

・剪定
1月が休眠時期のサクラは、剪定の作業を行うことができます。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉があります。

これを聞くと、サクラは絶対に切らない方がいいのか、
と思うかもしれませんが、そうではありません。

サクラは剪定後、きちんと処理をしておかないと、
切り口が腐ったり雑菌が入ったりして、枯れてしまうことがあります。

また、むやみに剪定をすると、花芽を落とすことになります。
サクラは切ってはいけないのではなく、きちんと剪定することが重要です。

サクラは枝抜き剪定が主となります。
枝が重なってしまうと、株の中心に光が入りにくくなり、
葉や花がうまく育たないだけでなく、病害虫にかかりやすくなります。

邪魔になる枝は付け根から切って、枝を整理しましょう。
太い枝だけでなく、太い枝から出た細かい枝も日照の妨げになることがあります。

日当たりが悪くならないよう、混みすぎているところは整理しましょう。
1月頃になると、枝についている花芽や葉芽が見分けやすくなってきます。
芽の状態を見ながら剪定しましょう。

・剪定を行う時の注意点
1.切り口を垂直、あるいは斜めにすること
切り口を地面と平行にしてしまうと、水が溜まりやすくなります。
そうなると切り口から傷みやすくなるため、雨が降った時に水が溜まりにくいよう、
切り口は垂直か斜めにしておきます。

2.切り口に保護剤を塗ること
細い枝の場合は構いませんが、太い枝を切った場合には必ず保護剤を塗ります。
剪定の後、ナイフやノミで切り口の表面を平らにし、
トップジンMペーストや木工用接着剤などを切り口に塗っておきます。

■サクラの育て方 1月のポイント
1.寒肥には有機質の肥料を与えます
2.カイガラムシがいないかチェックしましょう
3.剪定後は必ず保護剤を塗っておきましょう 

■参考
・サクラの育て方|品種と植え場所をよく選びます
・サクラを小さく育てるコツ
・シダレザクラの育て方|生長期の剪定はせずに栽培