12月に入ると、サクラも葉を落とし始め少し寂しいような気がします
けれど、春にまた美しい花を咲かせるための作業には、
冬の間が適期のものがいくつもあります。
サクラを健康な状態で保ち、次の花もキレイに咲かせるため、
ていねいに手入れしましょう。
[サクラの育て方 12月]
■基本の栽培管理
・サクラの状態
最近は温暖化が進んでいるといわれ、暖冬の年も多いですが、
12月には葉が落ちているサクラの株が多くなります。
葉がなくなって枝だけになったサクラは、少し寂しく見えますが、
枝ぶりがよく見えるので、剪定や害虫駆除に適しています。
こんな愛らしい紅葉になるのが楽しみです
・水やり
地植えにしているものは、ほとんど水やりをする必要はありません。
雨が長く降らず、土がひどく乾いていたら、昼間に水を与えましょう。
鉢植えは、土の表面が白っぽくなって乾いているのを確認した後、
4日~5日ほど経ってから水を与えるようにします。
表面が乾いていても、鉢の中心はまだ湿っていることが多いため、
少し待ってから与えた方が、過湿を防ぐことができます。
気温も低く、サクラ自身があまり水を吸わない時期なので、土はあまり乾きません。
無理に水を与えると過湿の原因となるので、
必ず土をチェックしてから水を与えるようにします。
・追肥
地植えも鉢植えも、追肥は不要です。
寒肥にはまだ早いので、もう少し待ちましょう。
立派に大きく育ったサクラも、素敵です
・病害虫の予防
葉がなくなり、枝が剥き出しになっている今だからこそ、害虫駆除に適しています。
特にカイガラムシ対策としての薬剤散布は、
12月~2月にかけて、2回~3回ほど散布するようにします。
すでにカイガラムシがたくさんついている場合は、
ブラシなどを使ってこすり落としてから散布した方が効果的です。
ただ、枝にはすでに花芽が出てきているため、強くこすると花芽がとれてしまいます。
鉢植えにしている株であれば、生育期間中にもオルトランなどをまいて防除し、
カイガラムシがなるべくつかないように気を付けておくようにしましょう。
サクラだけでなく、他の落葉樹も葉を落とす時期です。
株元に落ち葉が溜まると、そこが病気の原因となる菌や害虫の住処となり、
越冬してしまうことがあります。
一見すると暖かそうに見えますが、株元の周りがキレイに掃除し、
風通しの良い環境を保ちましょう。
■その他の作業
・剪定
落葉している今の時期は、剪定にぴったりです。
枝の様子を見るのに邪魔な葉がないおかげで、
枝の込み具合や伸びている方向などをしっかり見ることができます。
ただ、落葉後に剪定するよりも、少し株が落ち着いてから剪定した方が良いので、
中旬以降に剪定するのがお勧めです。
全体的な姿を整えるための剪定はもちろん、
枝が込み合っている部分をすく間引き剪定もしておきます。
一度に全部やってしまうのではなく、目指す樹形を想像しながら、
少し切っては遠くから枝ぶりを眺めるようにすると、切りすぎる失敗が防げます。
寒い時期なので、雑菌は繁殖しにくいですが、
太い枝を切った後は、癒合剤を塗っておくと安心です。
・鉢植えの防寒
サクラは耐寒性が強いので、大がかりな防寒対策は必要ありません。
けれど、鉢植えの場合、地面に直接鉢を置いていると、
冷えが上がってきて根が傷むことがあります。
地上部は、よく日の当たる場所に置くことで、寒さにも耐えますが、
夜になると地面から冷えが伝わり、鉢の中の土が凍ることもあるので要注意です。
特に、土の上に直接鉢を置いている場合、
土から湿気が上がってしまい、土が湿りやすくなることがあります。
土が湿っていると、気温が下がれば凍ってしまうため、根が傷んで株が弱ります。
鉢の下に、ゴム板などの冷えが伝わりにくい素材のものを敷くことで、
地面からの冷えが伝わるのを防ぐことができます。
ゴム板自体は、ホームセンターや100円均一で販売されているようなもので構いません。
■サクラの育て方 12月のポイント
1.水のやりすぎでの過湿に注意します
2.カイガラムシの防除につとめます
3.中旬以降から剪定が可能なので、枝ぶりを見ながら樹形を整えます
■参考
・サクラの育て方|品種と植え場所をよく選びます
・サクラを小さく育てるコツ
・シダレザクラの育て方|生長期の剪定はせずに栽培
・シダレザクラの剪定 図解
・サクラ育て方 12ヶ月
・サクラ 花が咲かない
・ヤマザクラ 育て方のコツ
・啓翁桜の育て方
・サクラ 盆栽の育て方
・サクラ 肥料は?
・サクラ ベランダの育て方
・サクラ 越冬