サクラ 東京都水元公園
3月になると、いよいよサクラの季節に入ります。
毎日少しずつ上がってくる気温とともに、芽も期待も膨らみますね。
花が咲いて散るまでは目いっぱい花を楽しみ、
花が終わった後はお礼肥を与えて株を育てます。
[サクラの育て方 3月]
■基本の栽培管理
・サクラの状態
2月とは違い、3月に入ると春の気配が感じられるようになります。
それに合わせて、サクラの花芽がみるみる膨らみ始めます。
膨らんだ花芽はやがて開花し、美しい花を見せてくれます。
前年の春に花を咲かせた後、葉を茂らせて株を育て、
暑い夏を過ぎて秋に葉を落とし、寒い冬を越えての開花です。
一年ぶりの花をこれでもかというくらいに楽しみましょう。
小さな株でも、咲けば美しいサクラです。
鉢植えであっても、見える場所に置いて花見をするのも、乙なものです。
・水やり
地植えの場合は、あまりに土が乾燥している場合を除いて、降雨だけで事足ります。
鉢植えにしている場合は、土の表面が乾燥していたら、水をたっぷりと与えましょう。
だいたい1日に1回くらいで十分ですが、土が乾いていなければ、
無理に水を与える必要はありません。
・追肥
花が咲き終わった株は、お礼肥えとして肥料を与えます。
地植えの場合は、木の大きさによって、
一つかみか二つかみ、ぱらぱらとまいておきます。
鉢植えの場合は、7号~8号の鉢に対して、
大豆くらいの大きさの肥料を15粒を目安に与えます。
この時与える肥料は、地植えと鉢植え共通して、
窒素・リン酸・カリが8-8-8のものを与えます。
・病害虫の予防
新芽にアブラムシがつくことがあります。
早いうちに発見できた分に関しては、粘着テープなどで捕殺します。
3月中旬頃にオルトラン粒剤を土の表面にばら撒いておくと、防除につながります。
八重桜も重量感があって美しいです
■その他の作業
・接ぎ木、挿し木
3月中旬~下旬は接ぎ木の適期です。
2月に切って貯蔵しておいた挿し穂を使い、接ぎ木を行います。
この場合は、接ぎ木の中でも「切り接ぎ法」が適しています。
接ぎ木をしたものは、穂木が乾燥しないように、
穂木まで埋まるように土をかぶせておきます。
マメザクラは、この時期が挿し木の適期です。
2月に採取ておいた挿し穂を使います。
今月の20日頃、3芽~4芽ずつに切り分けます。
先端を楔状に削り、30分~1時間ほど水あげをしておきます。
駄温の平鉢などに小粒赤玉土を入れて湿らせ、水あげした挿し穂を挿します。
挿し木をしてから1ヶ月ほどは、半日陰の場所で、乾かないように管理しましょう。
趣きのある風情はサクラならでは
・鉢植えの置き場所
日当たりと風通しの良い場所に置くようにします。
開花したものは、雨に当たると花が傷みやすくなるため、
開花中は軒下など、雨の当たらない場所に置くと、花が長持ちします。
また、3月に入ると日中の気温は上がりますが、夜はまだ寒い日もあります。
当然、霜がおりることもあります。
花は霜に当たっても傷みやすくなるため、
霜をよけるためにも軒下に置くことをお勧めします。
開花も終わりに近づいてくると、枝先の芽が育ち始めます。
花を楽しむために、室内に取り込んでいる場合、
芽が動き始めたら戸外に出すようにします。
まだ花が残っていると、少しもったいないような気もしますが、
次の芽を健全に育てるためには、できるだけ光を当てる必要があります。
サクラは散り始めると早いので、今年の分はもう終わりと見切りをつけ、
できるだけ早く戸外の日当たりの良い場所に移動させましょう。
蜂や鳥が蜜を吸いに来ます
・花ガラ摘み
花が散り始めたら、花ガラを取り除くようにします。
大木になったものは仕方ありませんが、
鉢植えなどのまだ小さな株の場合は、花ガラを摘みます。
花ガラをそのままにしていると、散った花びらがそこかしこの枝に付着し、
そこから傷んでくることがあります。
花びらを掃除しておくことで、病害虫の予防にもなるので、
できるだけ清潔にしておきましょう。
■サクラの育て方 3月のポイント
1.開花したら、とにかく花を愛でます
2.花が散り始めたら、次の芽を育てるため、日当たりの良い場所に置きます
3.花が終わったら、お礼肥を忘れずに与えます
■参考
・サクラの育て方|品種と植え場所をよく選びます
・サクラを小さく育てるコツ
・シダレザクラの育て方|生長期の剪定はせずに栽培
・シダレザクラの剪定 図解
・サクラ育て方 12ヶ月
・サクラ 花が咲かない
・ヤマザクラ 育て方のコツ
・啓翁桜の育て方
・サクラ 盆栽の育て方